加藤産商㈱は1909年創業の化学品専門商社であり、取り扱う商材はゴムや樹脂の原材料をはじめ、ゴムコンパウンドやその関連設備、副資材等になります。私は入社以来、営業部に在籍しておりますが、同時に入社したての頃は国内手配業務や貿易実務なども経験させて頂きました。

元々文系出身ですので化学のこととなると少々不安な気持ちもありましたが、社内での実務経験を通じ商材を知り、その後の営業活動やメーカー主催の勉強会などを通じて商材への理解を深めていく。そうやって不安材料を払拭していく日々を繰り返すことで何とか今日まで乗り越えてきたと思っております。そんな中感じたことは、当社のビジネスは長い歴史の中、諸先輩方が築き上げてこられた信頼の下、成り立っているということです。それがあるからこそ、お取引先様から何度も勉強会を実施頂いたり、時には工場見学をさせて頂いたりすることができるのだと実感しております。やはり、理解を深めていく過程で現場や現物を見させて頂くことは何よりも勉強になりますね。このような経験をさせて頂けることは営業活動をしていく中でとても有難いことだと日々感じております。

仕事をしていて楽しいと感じるのは「新しい発見」があった時です。商社の仕事はたくさんの人たちとの関わりがあって成り立っており、仕事を通じて知り合った方が得意とされている分野を知った時、はたまた、その物自体がどのような性質であるのかを学んだりした時など、日々新しい発見に満ち溢れていると感じます。

個人的に最も思い出深いお仕事は、あるメーカーの製品を当社が在庫販売させて頂くこととなった際、社内外でたくさんの方々と関わることとなった時のことです。これは現在も継続中ですが、私自身が窓口としてハブとなり、目の前の課題をひとつひとつクリアにしながら各関係者とコミュニケーションを重ねていく、そうした積み重ねの末、大きな混乱もなく軌道に乗せることができたのはとても良い経験になりました。
解決しなければならない課題がある時、初めは一から自分で調べなければなりません。しかし、近くに得意とする人がいれば解決方法の選択肢が広がります。そういった発見を重ね、人脈を育んでいくことで「渋谷に声を掛ければ何とかしてくれる」と頼りにしてもらえるようになる。そして、新しいビジネスにつなげていく。それこそが、仕事のやりがいや面白さにつながっていくと考えています。

私が仕事をする上で大切にしていることは、1. 心身の健康、2. ゴールを見失わないこと、3. 三現主義の考え方で取り組むこと、です。
その中で、3番目の「三現主義」は取引先の方に教えていただきました。三現は「現地・現物・現実」を指します。「現物・現実を知らないままの机上の空論は仕事の役に立たない。だから実際に工場に見に来てください」と言ってくださったのです。社外秘のものもあるに違いない技術や知見を隠さずに見せてくださるということは、加藤産商を、そして私を信頼してくださっているからであり、感謝とともに、仕事との向き合い方が変わるきっかけになりました。
取引先が本当に求めている形で、精度の高い提案を行っていけるよう、今後も三現主義を疎かにせず、たくさんの教えを吸収していきたいと考えています。
将来的な目標は、グローバル規模でイノベーションを起こしたいと考えています。
商社という立場上、自社の製品がないというディスアドバンテージはありますが、商売というのはご縁があった方々との間で生まれるものだと考えていますので、貴重な機会を見逃すことなく、幅広い商材を扱える商社のメリットを活かして、活躍の場を広げていきたいです。そのためには、経験値（商材に関する知識、人脈、コミュニケーション能力など）をさらに高めていかねばならないと考えています。
世界情勢が著しく変動する昨今、局面ごとに求められることは変わっていくと思います。従来にない発想が求められる中、新しいビジネスを提案していくことができればいいと思いますし、そのために何をすべきかよく考えながらキャリアを重ねていきたいですね。